おいらが子供の頃衝撃的だったのは一つの映画だった。
当時少しだけ生意気な高校生が冬になれば
制服の詰襟をコートの中に隠して
ステンカラーのコートの襟を立てて
騒音の場所にチェックしに行く。
当時はまだ手打ちがあった。
学校に行く前に台のチェック、大人たちがすでに出している
番号を控えて授業が終わり練習後にそっと行くためだ。
朝は喫茶店でモーニングを
騒音のお店が9時の開店
ある程度いないと出る台がわからない。
チェックしてから学校に行くと当然、遅番になるから
教室の後ろの戸をゆっくり開けて
授業に侵入すれば意外とOK
先生は気が付いていない。
そんなガキがメンズクラブなどの雑誌に友達が評論しているころ
何となく
アイビーなどと呼ぶ格好が気になりだしてきた。
なにをやってもかっこいいことが一番だったから
なんにでも興味をもった。
すべてさらりと、当然、口にまつわるものは一通り
中学校時代にウィスキーのミニボトルを飲んでふらふらしながら
自転車を乗った記憶があるため
アルコールはほどほどでなければまずいことはきっちり高校入学前に
学習していた。
のちにスタンドバイミーで同じようなシーンがあるので
日本もアメリカも子供のやることや興味はみな同じであるとと
理解するようになった。
たしか16だったか?17だったかは覚えていないが
田舎の町にも映画はあった。
アメグラ、正式にはアメリカングラフティー高校生が一昼夜の事件を映画にしたものだ。
とにかく何もかもが俺たちとは違っていた。そもそも高校生が車を運転して流している。その恰好と絵になる車
そして音楽がたまらなく映像を盛り上げてくれる。
明日の朝、東部の大学に行く生徒と地元に残る生徒、当然地元で働く若者と
大学に進学するものの何とも言えない寂しさと
表現が難しいのだが切なくもありみな大人の階段を上っていく
いや行かなければならない悲しさをその日一日は同級生同士
今を楽しもうぜ!!
そんなストーリーなのだ。
そんな映画を見てからは詰襟の学生服の襟をステンカラーの内側に隠すなど
ダサすぎと考えて
次の日から私服で騒音のお店に出入りしてまた、遅番で登校するようになった。
何とも懐かしく
大人ぶってせのびしたものの大したこともできないただのガキは
遅刻して教室に入ると
先生に見つかって
高校生でありながら廊下で立たされるのだ。
アメグラには苦く酸っぱい思い出がこの映画にはあるのだ。